- お問い合わせフォームの手前で離脱される理由
- 相談前の心理的な負担を減らす5つの見直し
- 送信前後の安心をつくるチェックポイント
ホームページを読んで、「一度相談してみよう」と思った。
ところが、お問い合わせフォームを開いた瞬間に手が止まることがあります。
入力欄が多い。何を書けばよいか分からない。送った後に営業されないか心配。このような小さな迷いが重なると、相手は相談を後回しにします。
フォームは、情報を集めるための用紙ではなく、
相手との最初の会話が始まる場所です。
私の仕事では、「相談内容を書けないこと」自体が相談の入口になります
私のところへ来られるのは、すでに自分の強みや仕事の価値をきれいに説明できる方ばかりではありません。
「経験はいろいろあるけれど、何を強みとして伝えればよいか分からない」「自己紹介を書くたびに、言いたいことが変わってしまう」。そのように、まだ悩みに名前をつけられない段階で相談を考える方もいます。
その方に、お問い合わせフォームで「あなたの強みと相談したい内容を詳しく書いてください」と求めると、相談する前に答えを完成させてもらうことになります。これは、私が提供している価値発掘インタビューの考え方と合いません。
最初から正しい自己紹介や、完成した相談内容を求めるのではなく、「今、何が言葉にしにくいのか」「どのような場面で困っているのか」を、話せるところから伺います。
そこから経験の背景や、その方が繰り返してきた判断を一緒にたどり、本人には当たり前に見えていた価値を見つけていきます。
だからフォームの役割も、詳しい答えを集めることではありません。「自分の仕事をうまく説明できない」といった最初の一言を受け取り、続きは会話の中で一緒に整理できる入口にすることだと考えています。
フォームで求めるのは、答えではなく「会話のきっかけ」
相談したい気持ちがあっても、自分の悩みを文章にできるとは限りません。特に、言語化そのものに困っている方へ、最初から詳しい説明を求めると、「整理できてから送ろう」と手が止まります。
あなたの強み、現在の課題、希望する仕上がりを詳しくご記入ください。
今いちばん言葉にしにくいことを、書ける範囲でお知らせください。まだ整理できていなくても大丈夫です。
この違いは、項目数だけの問題ではありません。「きちんと説明できる方だけが相談できるフォーム」になっていないか、という問題です。
名前、連絡先、今気になっていること。その程度から会話を始められると分かれば、相談する方は、完成していない状態のまま一歩を踏み出せます。
相談前の負担を減らす5つの見直し
1.必須項目を「今、本当に必要なもの」に絞る
入力項目が多いほど、詳しい状況を把握しやすくなります。一方で、相手にとっては相談する前の仕事が増えます。
住所、会社情報、予算、希望時期、詳しい経歴、相談内容など、すべてを必須にする。
名前、連絡先、相談したいことなど、返信に必要な項目を中心にする。
詳しい情報は、相談を受け付けた後に確認できます。必須にする前に、「この項目が空欄だと最初の返信ができないか」を考えてみましょう。
2.自由記入欄に、書き方の手がかりを置く
「お問い合わせ内容」とだけ書かれた大きな入力欄は、何でも書ける反面、何を書けばよいか迷いやすい場所です。
- 今いちばん困っていること
- 自分で試してみたこと
- 相談後、どのような状態になれたらよいか
- まだ整理できていない場合は、その旨だけでもよいこと
すべてに答えてもらう必要はありません。書き始めるための手がかりとして示します。
3.「まとまっていなくても大丈夫」と伝える
言語化に悩んでいる方ほど、相談文もうまく書かなければならないと思いがちです。
ご相談内容を具体的にご記入ください。
うまくまとまっていなくても大丈夫です。今気になっていることを、書ける範囲でお知らせください。
短い一文があるだけでも、「この状態で送ってよいのだ」と安心できます。
4.送信後の流れを先に見せる
問い合わせを送った後、誰から、いつ頃、どのように連絡が来るのか。分からないままだと、送信ボタンを押すことに不安が残ります。
送信
受付完了の画面やメールを確認する
返信
連絡方法とおおよその時期が分かる
次の相談
日程調整や確認事項へ進む
実際の対応に合わせて、返信方法、目安となる日数、休業日の扱い、メールが届かない場合の確認先などを書いておきます。
5.送信ボタンの直前で不安を増やさない
フォームの最後は、相手が送信するか戻るかを決める場所です。
急な売り込みをしないこと、入力情報を何に使うのか、キャンセルや相談だけでも問題ないことなど、実際の対応方針に合う安心材料を添えます。
申込みを急がせる言葉より、
「まずは話してもよい」と思える言葉を置く。
ホームページから返信まで、言葉を一本につなぐ
フォームだけを整えても、送信後の自動返信や最初のメールの雰囲気が大きく違うと、相手は戸惑います。
ホームページ、フォーム、受付完了画面、自動返信、最初の個別返信を並べて確認してみましょう。
- 必須項目は、最初の返信に必要なものへ絞られている
- 自由記入欄に、書き始めるための例がある
- 相談内容がまとまっていなくてもよいと伝えている
- 送信後の連絡方法と流れが分かる
- 入力情報の扱いや営業への不安に配慮している
- 受付完了から最初の返信まで、言葉の雰囲気が一致している
お問い合わせフォームは、相手を選別するためだけの場所ではありません。まだ言葉になっていない悩みを、安心して差し出してもらう入口です。
まずは自分のフォームをスマートフォンで開き、初めて相談するつもりで入力してみてください。負担に感じた項目や迷った言葉が、最初の見直しポイントになります。
うまく説明できない段階から、話せる入口を
お問い合わせで大切なのは、完成した相談文を求めることではなく、まだ言葉になっていない悩みを受け取れることです。無料自己紹介セミナーでも、まとまっていない経験から、その方らしい言葉を見つける順番をお伝えしています。